アラフィフが転職して思うこと 

筆者は53歳で都市銀行の事務職を辞め、他業種であるIT企業の社長秘書という職務を現企業より与えてもらい転職、新天地ではやくも約2年間を過ごしてきた。あっという間であったと、今やっと振り返る余裕もでてきた。

筆者が今何を思うかといえば、「転職の選択肢は間違ってはいなかった」というのがまず一つある。

前職の銀行での50代といえば、一律的に第一線からは退き、穏やかな老後に期待を寄せながら、「わくわく」とは程遠い何の変哲もない毎日を、ただ淡々と送ることが許される権利を与えられ、そのいわば既得権益を行使しながら60歳か、人によっては再雇用制度を使って65歳までを、何の不自由もなく過ごすことができる、そういった人生へ足を踏み入れる前に、そちらの世界に入るのか、入らない選択をするのかを、決断せざるを得ない、いわば岐路に立たされる年齢だと言えるのかもしれない。

終身雇用制度が主流であった時代の50代は、その100%が上述「既得権益行使コース」の選択をしていたわけであるが、終身雇用制度が崩壊した今この時代であるからこそ、50代は、人生の岐路を経験せざるを得なくなった。

50代で迎えた岐路で、筆者は転職を選択した。事務職(現在は職系が統合され事務職はなくなっているが、入社時に筆者は事務職として採用された)で転職を選択する者の割合は限りなく0%に近いと言える中での転職だった。

転職したことに後悔はない。むしろ現企業から内定がもらえた際、銀行での安穏とした守られた環境下での正社員生活という大きなものを捨てる勇気を振り絞り、転職を決断した当時の自分を大いにほめてやりたい。

もし50代で人生の岐路に立ち、悩んでいる人がいるならば、私は断然思い切って外へ出てみることを薦める。銀行という場所で機会を与えてもらって、自ら努力を惜しまず学び、何かを一生懸命培ってきたという自負がある人で、銀行にいたという変なプライドを捨て、謙虚な姿勢で裸一貫から始める覚悟ができているならば、決して甘くはないが外の世界に活躍の場所はたくさんあると私は断言する。

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